問題10 原文
問1 <資料>に記されたプロジェクトワークを遂行する過程で育まれるべき能力として 不適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
問2 <資料>に記されたプロジェクトワークに、フォーカス・オン・フォーム(Focus on Form)での指導を組み込む場合、どのような指導内容が適切か。最も適当なものを、 次の1~4の中から一つ選べ。
問3 <資料>に記された授業計画の活動⑥~⑨の活動の特徴として不適当なものを、次 の1~4の中から一つ選べ。
問4 <資料>に記されたプロジェクトワークにおいて、教師が担うべき主要な役割とし て最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
問5 <資料>に記されたプロジェクトワークの特徴として不適当なものを、次の1~4 の中から一つ選べ。
解答・解説(原資料)
以下は解答解説PDFから該当問題の説明を収録したものです。採点後に確認してください。
問題 10(プロジェクトワーク)
問1 正答:選択肢3
選択肢3の「道案内や重要拠点へのアクセスを述べる」は、B2レベル(中上級)の学
習者が 90 分授業を5回受けることで目指されるべき能力とは考えにくく、むしろ、初級向
きである。同時に、プロジェクトワークの主たる目的は、不特定多数に向けた「生活に役
立つ情報をインターネット上で公開、または配布する手引きを作成すること」であるため、
特定の相手との限定的なやり取りによる道案内ができても達成され得るものではない。
他方、選択肢1は、情報を収集して「手引き」として編集・清書する活動そのものに直結し、
選択肢2は、活動②や活動⑥における話し合いと合意形成のプロセスと直結している。選択
肢4は、
「まもなく来日する留学生」という明確なターゲットを読み手に想定し、インターネ
ットや冊子で配布できる構造的な文章を書くライティング能力(活動⑧、⑨)が求められる。
問2 正答:選択肢4
フォーカス・オン・フォーム(Focus on Form)とは、意味のあるコミュニケーション活
動を行っている中で、活動の目的を果たすために、必要に応じて「言語形式(文法や規則)」
に焦点を当てる指導法のことである。今回のプロジェクトワークは「留学生向けの手引き
を作る」ことが目的(意味)であるため、「助言」や「勧め」を意図した表現が多用され
ると想定される。文末表現の形と発話意図を組み合わせる学習法は、「言語形式の機能」
に注意を促すことであり、まさにフォーカス・オン・フォームに適した指導方法である。
選択肢1のような語彙リストは、意味のある活動と結びついた言語形式へのアプローチで
はなく、選択肢2および選択肢3は、言語形式に焦点を当てている活動とは言えない。
問3 正答:選択肢1
ジグソー学習は、「異なる情報を持った学習者同士が、情報ギャップを埋める」プロセ
スを重視した協働学習の手法である。しかし、本プロジェクトでは最初から全体像が意識
されている。さらに、【活動⑥】での全体像の詳細な確認や、【活動⑧】【活動⑨】での
原稿の推敲・仕上げが計画されているため、ジグソー学習の手法とは異なっている。
他方、活動内に組み込まれている【活動⑧】のピア・フィードバックは「ピア・レスポ
ンス」の基本的な考え方そのものである。ここでの推敲は内容面だけでなく文法的な誤り
も対象となるため、選択肢4も当てはまる。このように、他者からのフィードバックを得
ながら推敲を重ねて文章の質を高めていく一連のプロセスは、
「プロセス・ライティング」
の考え方が応用されていると言える。
問4 正答:選択肢2
プロジェクトワーク型授業における教師の役割を問う問題である。プロジェクトワーク
は学習者が主体となって動く「学習者中心」の活動であるため、教師は知識を一方的に教
える講師ではなく、必要に応じて活動を支援する「調整者(ファシリテーター)」として
の役割が求められる。
問5 正答:選択肢3
選択肢3の記述にある「縦断的な個人内評価」とは、一人の学習者の日本語習得・学習
状況を長い期間(数ヶ月〜数年)にわたって観察し、どのように成長を遂げたかを測る評
価のことである。本活動では成果物や協働の過程を評価することはできるが、一人の学習
者の長期的な発達を評価する活動ではなく、縦断的な個人内評価の目的には適していない。
原文はPDFテキスト抽出結果をもとに収録しています。図表・段組み・下線等の視覚的な再現は完全ではない場合があります。