問題17 原文
問1 <資料>の下線部 a「ちょうどハネムーン期が終わる頃で、不安定になりがちなタ イミングとも言えそう」とあるが、このような心理状態と関連した事象を説明するも のとして最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
問2 <資料>のW先生の発言に基づいて考えた場合、Aさんが受けたと考えられるピア・ サポートとして不適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
問3 <資料>の下線部 b「サポート」の内容として不適当なものを、次の1~4の中か ら一つ選べ。
問4 <資料>の下線部 c「Aさんが日本社会に対してちょっとした警戒感を覚えてしま った」に関連して、このような現象が第二言語の学習や習得に及ぼし得る影響として 不適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
問5 <資料>の下線部 d「活動内容に工夫を持たせる」に関して、どのような活動なら 当該の目的に見合った活動であると考えられるか。最も適当なものを、次の1~4の 中から一つ選べ。
解答・解説(原資料)
以下は解答解説PDFから該当問題の説明を収録したものです。採点後に確認してください。
問題 17(留学生の不安と各種サポート)
カルチャーショックなどの心理的変化や、それに対する「ピア・サポート(仲間による
支援)」の役割、そして学習者の不安を低減するための具体的な支援方法を問う問題であ
る。
問1 正答:選択肢2
カルチャーショックに関する理解を問う問題。「ハネムーン期」という言葉から、異文
化受容のプロセスの一つ、U字曲線を想起できるかが鍵となる。カルチャーショックは固
定された精神状態ではなく、ハネムーン期、ショック期、回復期、適応期といった段階を
経て動的に変化するものだと考えられている。
問2 正答:選択肢4
ソーシャル・サポートの種類として、ハウス(J. S. House)は、「道具的サポート」「情
緒的サポート」「情報的サポート」「評価的サポート」の4種類を挙げた。これに基づき、
A さんが受けたサポートを整理すると、
情緒的サポート:Aさんの相談にのること
情報的サポート:別のアルバイト先について情報共有すること
道具的サポート:シェアハウスに同居させて家賃負担を軽減すること
選択肢4の「評価的サポート」に該当する記述は、先輩Bさんたちとの関わりの中には見
られない。
問3 正答:選択肢1
学習者支援における教師の適切な役割を問う問題。選択肢1のように、教師自らが特定
のアルバイト先を探し、経営者と事前交渉して推奨することは、依存関係の創出や責任問
題を招き得る過剰な介入である。相談窓口の紹介(選択肢2)や学習上の配慮(選択肢3)
にとどめるのが望ましい。
問4 正答:選択肢2
目標言語集団への警戒心は「情意フィルターの強化」(選択肢3)や「社会的リソース
アクセスの損失」(選択肢4)につながり得る。ビリーフは言語学習に対する固定観念や
信念のことなので、目標言語集団への警戒感とは異なるレベルの話であり、ビリーフを直
に破壊するとは考えにくい。
問5 正答:選択肢2
社会心理学者のオールポート(Allport)の「接触仮説(Intergroup Contact Hypothesis)」
に基づくと、異なるグループ間の偏見や警戒感を低減させるためには、(i)「対等な立場
(Equal Status)」で(ii)「共通の目標に向かって相互に協力(Cooperation)」する活動
が不可欠とされる。
選択肢2の活動は、日本人と学習者が「対等な立場」のパートナーとして双方の日常の戸
惑い場面を持ち寄り、一つのミニ・ドラマを共創する「共通の目標に向けた協働」である。
原文はPDFテキスト抽出結果をもとに収録しています。図表・段組み・下線等の視覚的な再現は完全ではない場合があります。